ジャブ、パンチ、キックにしたい2025年

コラム
2024年を振り返って

2024年を振り返って

2024年を振り返ってみると、キーワードは「削ぎ落とした」一年でした。

必要だと思い込んでいたことが、実は思い込みに過ぎなかったり、自分にはできないと決めつけていたことが案外得意だったり。
この「削ぎ落とし」のプロセスを通じて、自分の安全地帯を広げると同時に、より洗練された判断力を得られた一年だったと感じます。

特に、ミラモア5周年を迎えたことは、ブランドとしてだけでなく、個人としても大きな節目でした。
かつては気力とビジョンだけで描いていた未来の絵が、少しずつ現実味を帯び、道筋が見え始めた一年だったのです。
この一年で、無駄を省きながら、必要な要素を磨き上げていく大切さを学びました。

もちろん、数々の大きな決断を迫られる場面も多く、決して簡単な道のりではありませんでした。
その過程で「苦しい」と感じる瞬間もありましたが、その苦しさを乗り越えたからこそ味わえる達成感とアドレナリンが今の自分の支えと自信になっています。

「今が苦しい」が言えない性分が、「苦しかった」と過去として言えることが、自分のスタイルであり美学なのだと改めて気づかされました。
それはまさに、金継ぎの哲学そのもの──壊れながら強くなり、修復し、新たな形で輝く自分を発見するプロセスそのものだと思います。

また、自分をよく知っていると思っていましたが、大人になるにつれて経験が新たな自分発見のきっかけになることがとても楽しいと感じています。
そうした経験を通じて得られた気づきが、自分にとっての「自信の付け方」でもあります。

さらに、このコラムを書き始めてから1年が経ち、多くの方々から共感やコメントをいただけることが本当に嬉しく、励みになりました。
読者の皆様とつながる機会を得たことで、人間はやはり「つながり」を求める生き物なのだと改めて実感しています。

振り返りはそれまでにして、2025年はどのような一年にしたいですか?
自分はスケジュール的には年末までおおよそ決まっていて、すでに楽しみが増えています。
今年の5周年を経て、ようやく「土俵に立てた」と感じています。

趣味で10年以上続けているキックボクシングが良い例えになるのですが、キックボクシングでは体幹がないと両足で立つことさえ難しく、ジャブやパンチ、キックも繰り出せません。

この5年間は、ようやく体幹が整い、今からジャブやフック、そしてダブルキックを繰り出せる準備が整ったように感じています。

この「体幹」とは、単なるスキルや知識だけでなく、精神的な安定感や、チーム全体の信頼関係も含まれます。
そして、ジャブやキックを繰り出すためには、ただ力を込めるだけでなく、適切に力を抜くことも必要です。
この「脱力」の感覚を、2025年にはさらに深めていきたいと思います。

クリエイションとは、すべてが過程の積み重ねであり、細胞分裂のように進化していくもの。
たくさんの試行錯誤を経て、ようやく自分の「スタイル」を見つけることができました。

自分が思い描く「成功」にはまだ距離がありますが、慎重に進むことが結果的に最短ルートなのかもしれません。
そして、そうした道のりで得た気づきや経験が、自分に自信を与えてくれることを実感しています。

また、個人プレイヤー気質だった頃には見えなかった「チームで動くことの喜び」も実感しています。
一方で、コンセプチュアルアーティストとしての個人プレイもまた楽しい。
この2つのバランスを楽しみながら、さらに挑戦していきたいと思います。

2025年は「ジャブ」と「パンチ」を繰り出す一年。
このご縁とみなさまとの「つながり」をより深め、新しいコレクションや企画を通じて、ミラモアらしい驚きと感動を届けたいと思っています。

みなさん、ついてきてくださいね。

稲木ジョージ
ミラモア創設者&金継ぎ哲学者
コラム一覧